体験談
学生特別インタビュー「日本人はもっと海外へ出よう」
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留学先 :Swiss Hotel Management(スイスホテルマネージメントスクール) 1985年生まれ。東京都出身。成蹊大学3年次に休学し、SHMSに留学。専攻はSwiss Diploma in Hotel Operational Management。現在は、スイス・ジュネーブの5つ星ホテルla réserve genéve内のレストラン「le loti」でインターンシップ中。 |
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Q:なぜ、留学することになったのでしょうか。
A:留学願望は中学・高校時代からありました。ティータイムコーディネーターやお菓子教室を主宰する母がヨーロッパ留学を経験しているんです。自分で道を切り開いてきた母からの影響は大きく、人生は一度きりだし、興味があることは何でもしたいと思ってきました。そして高校・大学時代はテニスに打ち込み、3年生の前期に部活を引退した時がベストタイミングだと感じて、渡航を決意。それからスイスに来るまでたったの1ヶ月です(笑)。
Q:それは早いですね! なぜ、ホテル学校であるSHMSを選んだのでしょうか。
A:決定打は日本人が少ないこと、英語が学内公用語であること、講師陣と学生が60ヶ国から集まる国際的環境であることです。
では、そもそもなぜホテル学校を選んだのかというと、大学で国際文化を学んでいますし、留学の目的として、まずは英語習得と国際経験というのが念頭にありました。そして世界を股にかけて働きたい、それを具体的に考えてみたら、親戚が営む相撲茶屋の手伝いが楽しかった高校時代を思い出したんです。相撲茶屋もサービス業、ホスピタリティーマインドが必要な仕事です。大学進学後は結婚式場やレストランでアルバイトもしましたし、「自分は将来の仕事としてこういうことがしたいのかな」と。また並行して知り合いの方に相談に乗っていただく中で、ソムリエやホテル専門学校の先生と話し「ホテルの学校がいいのでは」と勧められたのです。
どんなビジネスにも人と人のつながりが存在するし、そこには思いやりやホスピタリティーマインドが必要。だから、それを学んだらどんな仕事にも応用できるとも考えました。
Q:そうして入ったSHMSでの様子を教えてください。
A:コースは基礎からみっちり学べるものを選びました。まずは英語力をつけるべく、Foundation Courseからのスタートです。元来話し好きなのに、英語では話せない。悔しくて、猛烈に頑張りましたね。文法、読み書き、発音、プレゼンなど基礎をみっちりと学びました。
2ヶ月後に晴れて本科に入学。でも英語力はまだまだで「もっと勉強しなければ」と思いました。覚悟さえ決めれば、勉強はそれほど大変ではないです。
うれしかったことは、「仮想レストランをオープンする」というF&Bマネジメントの期末プロジェクトで、自分のチームが1位になったことですね。立地・賃料・コンセプト・ターゲットセグメント・デザイン・宣伝・人材配置・コストコントロール・メニュー作成などの全てを、自分たちでプランニングし、プレゼンするという内容です。寝る間も惜しんで取り組みましたし、「このチームメンバーとだったら、最高のレストランを作れる」と心の底から思うくらい、充実していました。
反面難しかったのは、サービスの授業でリーダーを務めた時、やる気が落ちている仲間をモチベートしなければいけなかったことです。試行錯誤の中で、とにかく自分が正しいと思うやり方で突き進みました。孤独も感じましたが、理解してくれる仲間から助けられ、最後には団結して最高のチームを作り上げることができました。
Q:そして、後期はインターンシップですね。
A:はい。SHMSにはInternship Officeからのバックアップシステムはあるのですが、受け入れ先を探すにあたり「スイス国内のフランス語圏」という私の希望にあった企業がなかなか見つからず、いっそのこと自分で探そうと決めました。知り合いにmotivation letter(自己PRと志望動機も書くカバーレター)とCV(履歴書)のアドバイスを受けて書類を作成し、それをジュネーブの全ての5つ星ホテルに宛てて、20通は郵送しました。
先述の希望に加え、フレンチレストランという理想があったものの、当時の私のフランス語は初心者レベル。それがネックとなり、大半のホテルからは断られました。唯一、la réserve genéveのHuman Resource Managerから面接の連絡が来て、やっと一歩前進しました。
HR Managerとの面接では、私のフランス語が、先方が考える「初心者レベル」に遠く及ばなかったようで(笑)、「これから毎日、フランス語でTVを見なさい」とアドバイスされました。確かに言葉はつたなかったけれど、やる気を力いっぱいアピールしたつもりです。その後はシェフとのインタビュー。「食べることは好きか?」「キッチンで働くことは好きか?」にそれぞれ「Yes!」と答えたら、「いつから働き始めるんだ?」と。あっという間でしたが、すごくうれしかったですね。
Q:実際に始まったインターンシップは、いかがですか。
A:担当はstarter section、garde manger(下ごしらえ・冷製料理担当)です。朝はまず営業の準備で、お皿の用意・パンのカット・具材の下ごしらえなどを行ないます。営業開始後は戦争です! 通常はオンラインで注文がホールから入り、レシートで出たものをキッチン中央のシェフが読み上げ、そして私たちが料理を作る、という流れです。大変なことの連続ですが、忙しいのは昔のアルバイト経験で慣れていますし、インターンシップ生という甘えは捨てて、スタッフの一員という自覚を持って働いています。
大変な中でも、先輩が常に自分をモチベートしてくれるのはとてもうれしいです。採用してもらった以上、周りを失望させたくないから頑張りますよね。すると、きちんとほめてくれるんです。「お前がいれば安心だ」なんて言われたらたまらないですよ(笑)。やるべきことをきちんとやっている自信がありますし、だからこそ、学生である自分のことを同僚の1人として扱ってくれるのだと思います。
自分の強みは、先を読む力ですね。例えば、誰かがタバコをくわえたら、だれよりも早くライターを差し出せるとか。それが今の仕事にすごく生きています。シェフの調理過程でも、今の作業を見て次は何をするか、何が必要かを察して先回りして行動に移すと「こいつは使える」と思ってもらえる。忙しいからこそ私が必要だと思ってもらえるのが分かるので、すごくやりがいがあるし、その気持ちに応えたいです。
フランス語はまだまだ難しいですね。分からないと、相手から「もういいよ」と話を諦められてしまうこともしばしば。でも、言葉が分からないからこそ逆に相手をよく観察するし、先読み能力はさらに伸びたと思います。
仏語の勉強は、podcastでダウンロードしたラジオ放送をこまめに聞いたり、学校にある教材を読み書き・リスニングにフル活用しました。学期が終わったらホームステイしながら語学学校に短期集中で通ったりも。でも結局は、フレンチレストランで働くことでどんどん上達していきましたね。
Q:将来の夢と、留学希望者へのメッセージをどうぞ。
A:将来はFBに関わる仕事に興味があります。まだ漠然とした夢がいろいろある状態ですが、1つ目は自分の店を持つこと。スイスでたこ焼きやお好み焼き屋もやってみたいです。一度、とあるイベントで売ったら大ヒットだったんですよ(笑)。あとは、大好きなシャンパンに関われる仕事もしてみたいですね。
これから留学する人へのメッセージは「やらないで後悔するよりやってみよう。でも、やるからには本気で」。そして留学する以上は「その国の言語で常に物事を考えること」。あとは「日本人はもっと外に出よう」ということです。
自分たちが思っている以上に世界は日本に興味を持っているし、日本の商品や日本人の「質」はとても高いのに、英語ができなくて海外とコンタクトがないばかりにそれに気づかない。すごくもったいないと思います。留学すれば視野が広がるし、ルーツである自分の国のことにも興味が持てる。だから、ぜひ勇気を持って飛び出してほしいと思います。
インターン先からのコメント
Mr Philippe Durandeau
Chef Exécutif, Hôtel la réserve GENÈNE
私たちは6ヶ月ごとに5人ずつ、さまざまな学校からインターンを受け入れています。小嶋さんもその中の1人でしたが、彼は特に素晴らしい人材ですね。まずモチベーションが高く、覚えがいい。「1を聞いて10を知る」という感じですね。そして常に周囲をよく見ていて、先回りができます。かつ、高い集中力を持って仕事に取り組むこともでき、その様子には目を見張るものがありますよ。 インターンの面接で私が聞くのは2つだけ。「食べ物の好き嫌いはないか?」「キッチンで働くことは好きか?」という質問です。まず、食べ物を扱うキッチンでは味見は重要な仕事のひとつです。ですから、食べ物の好き嫌いがある人には向きません。そして、体力が求められるキッチンの仕事をやっていけるかは、キッチンに立つのが好きであることにかかっているわけです。そして、やる気というのは面接の際の第一印象や雰囲気である程度わかるものです。小嶋さんはこれらのポイントが非常に高かったので、受け入れることになりました。 私自身、別のホテルで日本人と働いたことがあるのですが、良い信頼関係を築けたこともあり、日本人に対してはとても好印象です。私が感じる日本人の良さは、常に高いレベルで仕事ができる「堅実さ」です。精神的にもタフですし、ハードで常にプレッシャーとの戦いであるこの仕事に向いていると思います。今までの小嶋さんの働きぶりを見て、彼にも十分その素質は備わっていると感じますし、彼を受け入れて本当に良かったです。 学校で学んだ基礎的知識やスキルを、インターンシップでさらに発展させるというこのプログラムは素晴らしいと思います。この経験は、今後のキャリアに大きく役立つことでしょう。


